家宅六神 風木津別之忍男神(かざもつわけのおしおのかみ)
最後に産まれたのが風木津別之忍男神(かざもつわけのおしおのかみ)である。この神は、神名からすれば風に関する神、暴風から家を守る神として、家宅六神の最後に入れられたものと考えられる。しかし、風の神はその後 志那都比古神(しなつひこ)が産まれており、風木津別之忍男神の「風」は単なる宛字で風の神ではないとする説もある。読みについても、原文の註記に「木は音を用いる」とあるので「も」と読むことになるが、神名に字音を用いるのは異例である。『古事記伝』では、この註は後で誤って挿入されたものであるとして「かざけつわけおしを」と読むとしている。また、『古事記伝』では、底筒男神(そこつつのおのかみ)、または大祓詞の速佐須良比売(はやさすらひめ)と同神としている。