須弥山 仏教における須弥山世界観

 


倶舎論(くしゃろん)によれば、風輪の上に水輪、その上に金輪がある。また、その最上層をなす金輪の最下面が大地の底に接する際となっており、これを金輪際(こんりんざい)という。なお、このことが俗に転じて、物事の最後の最後までを表して金輪際と言うようになった。



周囲の鉄囲山(てっちせん)にたたえた海水に須弥山に向かって東には半月形の毘提訶洲(びだいかしゅう videha-dvpa、あるいは勝身州(しょうしんしゅう))、南に三角形の瞻部州せんぶしゅう。南洲あるいは閻浮提(えんぶだい))、西に満月形の牛貨洲(ごかしゅう godnya-dvpa、北に方座形の倶盧洲(くるしゅう kuru-dvpaがある。南に位置する瞻部州(Jambūdvīpa)は我々が住んでいるインド亜大陸を示している。



須弥山中腹には日天(にちてん/にってん)と月天(がつてん/がってん)がまわっている。須弥山の高さは八万由旬ゆじゅん。Yojana)といわれ、中腹に四大王天(しだいおうてん)がおり四洲を守る。さらにその上の山頂の忉利(とうりてん)には帝釈天が住むという。須弥山の頂上に善見城(ぜんけんじょう)がありインドラ(帝釈天)が住んでいる。須弥山には甘露の雨が降っており、それによって須弥山に住む天たちは空腹を免れる。