廣峯神社 祭礼 ③
l 祈穀祭
(きこくさい。4月18日)
4月3日に仮田に植えた苗が18日には立派に実り収穫されたものと見立てて神前に稲穂を供え、御田植祭同様にその年の稲作の豊饒を祈願する神事。穂揃祭(ほぞろえさい)と走馬式(そうましき)からなる。
当日、まず穂揃祭にて神職はその年の稲の豊作品種を占い、その結果を発表する。この際、本殿に近隣農家から奉納されたワセ、ナカテ、オクテの三種類の稲(天王穂という)を飾り、この実った稲を見た参拝者は一年の豊作に期待してこれから始まる農作業の励みとする。昔はこの奉納された稲籾をもらいうけ、自己の田の苗代に撒く者もあった。
穂揃祭に続き行われる走馬式は、御旅所である天祖父神社から本殿前まで朝廷の武官の衣装を身に付けた神職が乗る数頭の馬が三往復する景気付けのための儀式である。神職が落馬せずに完走すれば豊作、観衆の歓声に馬が驚き跳ね、落馬すれば凶作だと言われている。江戸時代には10頭の馬が駆け、姫路藩主の代参や馬の献上があった。現在は3頭が走る。御田植祭とならんで当社一番の大祭であり、戦前までは一説に参拝者が10万人を超えたともいわれる。