神籬 語意
「ひもろぎ」(古代には「ひもろき」)の語源は、「ひ」は神霊、「もろ」は天下るの意の「あもる」の転、「き」は木の意とされ、神霊が天下る木、神の依り代となる木の意味となる。
※異説:檜(ひのき)榁(むろのき)松(まつのき)などのように、待ち合わせの目印となる高木。会う、群がる木の意。但し、末尾の「き」とは甲類で乙類の「木」と音韻上違い、語源的には無関係である。
漢字の「神籬」は宛て字であり、「籬」は竹や柴で作られた垣根を意味する。なお、「垣」も垣根を意味するが、こちらはもともと土塀(土で作られた垣根)を意味していたのが、広く垣根全般を指すようになったものである。ちなみに、「垣籬(えんり)」あるいは「籬垣(りえん)」という熟語もまた、竹や柴の垣根を意味する。
なお、「神籬」の本来の読み方は「かみがき」「みづがき」であった。
「胙」「膰」「燔」にも「ひもろぎ」の字訓が宛てられているが、これらの元々の意味は神前に供える肉であり、「神籬」と表記する場合とは大きく意味が異なる。