知立神社 境内 ①

 


現在の主要社殿は、江戸時代後期から昭和にかけての造営になる。社殿配置は「尾張造(おわりづくり)と呼ばれるもので、本殿・幣殿・祭文殿・回廊・拝殿を縦長に接続する。この尾張造は、尾張地方には多いが三河地方では珍しく、知立神社社殿はその三河への伝播を表す遺構になる。これらの社殿は国の登録有形文化財に登録されている。各社殿の詳細は次の通り。

 



本殿


江戸時代の天保2年(1831年)の造営。三間社流造で、屋根は檜皮葺

 



幣殿


本殿前に接続する。大正期(1912年-1926年)の造営。桁行五間・梁間三間、切妻造妻入で、屋根は檜皮葺。

 



祭文殿・回廊


幣殿前に接続して祭文殿が立ち、その左右に回廊が伸びる。明治20年(1887年)の造営で、大正期と昭和29年(1954年)に改修されている。祭文殿は四脚門(しきゃくもん、よつあしもん)形式で切妻造。祭文殿・回廊とも屋根は檜皮葺。

 



拝殿


主要社殿群の正面に立ち、祭文殿に接続する。桁行六間・梁間三間、切妻造妻入で、屋根は檜皮葺。前二間は土間で、奥は板敷になる。前面には、間口一間で切妻造の向拝が付属する。