久能山東照宮 社殿

 


大正元年『清水港の栞』「久能山東照宮 社殿」福知勝

 


皇族下乗の所を越ゆれば、後水尾天皇の勅額御門あり、『東照大権現』の御筆跡を仰ぎて内に入る。竹田宮、北白川宮兩妃殿下御手植の松、東照公接穂の蜜柑、實割梅、神馬厩、厳島神社、久能神社、唐銅革表、鼓楼、神楽殿其他数社あり。更に御唐門を入れば拝殿、本殿あり、本殿の中央に東照公を安置し、左右に豊太閤、織田右府を配置す。拝殿の左側に神廟あり、石の玉垣をめぐらし、巨石を以て畳む。之れ霊柩を置きし處なり。社殿結構悉く荘厳を極め、輪換の美を盡し、燦然として人目を奪ふ。

 


 — 福知勝編『清水港の栞』「久能山東照宮 社殿」大正元年より抜粋