伊勢山皇大神宮 逸話 アイスクリーム

 


日本人初のアイスクリーム店は、1869年明治2年)6月に町田房蔵(まちだ ふさぞう)により馬車道で開業された。しかし、当時の日本人は乳製品にまだまだ馴染みが薄く、また一杯が金二分(現在の価値で8千円程度)と高価なこともあって、当初は全く商売にならなかった。「横浜沿革誌」(明治25年刊)によると、赤字の為に一時休業したが、翌年(明治3年)4月の伊勢山皇大神宮の遷座祭に際し店を再開したところ、祭礼の賑わいと高揚の中で、物珍しさにアイスクリームを買い求める者が相次ぎ、今度は大繁盛したという。この事がきっかけとなってアイスクリームが世に知られるようになり、鹿鳴館や東京の洋菓子店でも饗されるようになったのであった。