千社札(せんじゃふだ)
千社札(せんじゃふだ)とは、神社や仏閣に参拝を行った記念として貼る物で、自分の名前や住所を書き込んだ札のことである。愛好家では、「せんしゃふだ」と発音する。
紙製が多く、木札や金属製の物も存在する。江戸時代中期以降に流行しており、次第に手書きから木版製に移行した。近年だとシール状の物が多く、ゲームセンター等に設置されている専用機から名前等を入力して作成することも可能。実際に張る時には、相応の許可を得るか、張っても良いことを確認する必要が有る。
神社仏閣に納札する為の単色刷りで、屋号や土地名、模様と名前をスミ刷にした貼札(はりふだ)と呼ばれる題名札と、色を何色も使い、デザインにも凝った色札(いろふだ)と呼ばれる交換納札が有る。
「題名を記した札(題名札)が貼られている間は、参籠(さんろう:宿泊参拝)と同じ功徳がある」と言う民間信仰での風習から、日帰り参拝者が参籠の代わりに自分の札を貼った事から始まり、神社仏閣の許可をもらって御朱印を頂いた上で千社札を張るのが本来の慣わしである。神社仏閣に無断で貼ったり、剥しにくいシールを貼ったりするのは、不道徳である。
奉納の時は、通常だと目立つ所へ貼るが、「隠し貼り」と言って「風雨に晒されず目立たない所に貼ること」もある。手軽に作れる事から、本来の用途と異なる用途で使用される(車、家、自分の物などに、名札代わり等として付けたりする)ことも有る。