真神(まかみ)
真神(まかみ)は、日本に生息していた狼(ニホンオオカミ)が神格化したもの。大口真神(おおくちのまがみ、おおぐちまかみ)、御神犬とも呼ばれる。
真神は古来より聖獣として崇拝された。大和国(現在の奈良県)にある飛鳥の真神原(まかみのはら)の老狼は、大勢の人間を食べてきたため、その獰猛さから神格化され、猪や鹿から作物を守護するものとされた。
『万葉集』巻八には「大口の まかみの原に ふる雪は いたくなふりそ 家もあらなくに」(舎人娘子。とねりのおとめ)と記され、少なくとも(大和国風土記の逸文と合わせ)8世紀からみられる。
人語を理解し、人間の正室を見分ける力を有し、善人を守護し、悪人を罰するものと信仰された。また、厄除け、特に火難や盗難から守る力が強いとされ、絵馬などにも描かれてきた。
現在も埼玉県秩父地方の神社を中心に、狼が描かれた神札(お札)が頒布され、信仰を集めている。