ミサキ
ミサキは、日本の神、悪霊、精霊などの神霊の出現前に現れる霊的存在の総称である。名称は主神の先鋒を意味する「御先」(みさき)に由来する。
ミサキは高位の神霊に従属しており、神霊が人間界に現れる際に、その予兆や使いのような役割を果たす小規模の神霊といわれている。
ミサキは動物の例が良く見られる。日本神話に登場する八咫烏(やたがらす)もミサキの一種であり、八咫烏が神武東征の際に神武天皇の先導をしたことに、ミサキの性格がよく現れている。また稲荷親の神使である狐もまたミサキの一種であり、この八咫烏や狐のように、重要なことや神の降臨に先駆けて現れるものがミサキとされている。福島県いわき地方では、1月11日に田に初鍬(はつくわ)を入れて「カミサキ、カミサキ」と言って鳥を呼び込み、その年の豊作を祈願する「ノウタテ」という行事がある。