田の神 田の神の祭り 収穫時の祭礼 ②
十日夜(とおかんや)
旧暦10月10日の刈上げの行事を十日夜(とおかんや)という。子どもたちが藁束で地面をついてまわったり、カリアゲモチを神棚にあげたりする。長野県では、10月10日のカカシを田からもってきて庭先に立て、臼と枡(ます)をおいて餅を供えるかかしあげの行事がおこなわれる。その餅を焼く火はカカシの笠をこわして焚き付けとするところもあり、蛙が供え餅を背負ってカカシの昇天にお供するという伝承の残る地域がある。また、大根の年取りという行事をおこなうところもある。
亥の子(いのこ)
亥の子とは旧暦10月の亥の日に行う刈上げ行事で、太平洋沿岸から西日本、南九州にまでみられる。子どもたちが石や藁ボチで地面をたたいてまわり、家々から餅をもらう風習がみられる。十日夜にもみられる風習だが、これは収穫を終えた土地を鎮める儀礼とも考えられている。
アエノコト、新嘗祭
奥能登に伝わるアエノコトは上述したとおり、田を守ってくれた田の神を家に迎えて、その年に収穫した品々を供えてまつるものであり、新嘗祭は神人共食の直会(なおらい)の行事である。