屋敷神 祭祀施設と神体

 


屋敷神の多くは石造か木造の小祠である。普通の神社のような社殿を持つことはまずない。丁寧に祭祀されている場合は末社程度の規模の社殿を建てられ、鳥居までも持つこともある。



しかし、社殿を備えるようになったのは神の常在を信じるようになった後世の変化で、それ以前は祠もなく、祭場のみだった。樹木や自然石を依代としており、伊豆諸島利島(としま)熊野地方・壱岐などでは現在でも古態を留めている。



仮宮を祭りごとに作り変えるところもある。これは祭りのときのみ神が降臨するものだという信仰の名残だと考えられている。普段は神はいないため社の必要はなかったのである。



神体は既述のとおり、古木や石を用いたのが最も古い形態だと考えられる。鋭利な刃物の普及により削掛(けずりかけ)が加わり、の普及により、御幣(ごへい)も用いられるようになった。現在では、特に祭神を特定の神社の分霊とする場合は、各神社の発行する神札を祀っていることが多いだろう。