黄金山神社(石巻市) 祭祀

 


9月25日に例祭が行われるが、それ以外にも以下のような神事祭典がある。

 


初巳大祭(はつみたいさい)

 

5月初巳(はつみ)の日から7日間にわたって斎行される、弁財天の神使が蛇(巳)である事に因む弁財天信仰を継受した祭儀。初日(巳日)の巳の刻(午前10時)に本殿にて本祭を行い、期間中の日曜日には金華山港の御旅所へ神輿渡御がある。神輿渡御では海水を汲んで潮垢離(しおごり)を掻く海潮祓の神事が斎行されるが、浜降神事(はまおりしんじ)の一種でもあり、かつては若者衆に担がれた神輿が一気に山を駆け下りて海へ入り、亀島(現亀石)まで渡っていたという。また、12年に1度の巳年には巳歳御縁年大祭も斎行される。

 

 

 

鹿の角切り行事祭

 

鹿(ニホンジジカ)の発情期である10月の第1、第2日曜日に行われ、参拝者に危害を加えないよう境内周辺にいる牡の角を切り落とす行事。昭和38年(1963年)に始まったとされ、当初は神社職員が行っていたが、昭和末年ないし平成初年頃(20世紀末)から石巻の勢子(せこ、せご)集団が捕獲し、神職が切り落とすようになった。捕らえた牡鹿は神酒を一献捧げられた後に角が切られ、切り取った角は神社に奉納された後に希望者に頒たれる。

 

 

 



※勢子(せこ、せご)

 

勢子(せこ、せご)とは、狩猟を行う時に、山野の野生動物を追い出したり、射手(いて。待子:まちこ、立間:たつま)のいる方向に追い込んだりする役割の人を指す。かりこ(狩子、狩り子)、列卒(せこ)ともいう。多人数で行う巻狩(まきがり)などの狩猟法で、勢子は活躍した。領主などの権力者が行うような大規模な巻狩では参加する勢子の人数が数百人を超えることもしばしあった。