黄金山神社(石巻市) 信仰 ①
金華山は古く牡鹿半島周辺沿岸部の人々から崇拝の対象として、殊に漁民からは海上安全や漁の守護神として信仰を受けていたと思われ、後世の例ではあるが鰹(カツオ)漁といった遠洋での漁を行う者は沖を離れて金華山の姿が三分の一程度水平線に沈んだ辺り(およそ20海里)を「サンノゴテ(三の御殿)」と称して順次「ニノゴテ(二の御殿)」等となり、島影が小さく星の形のように見える地点(およそ45海里)を「ニオボシ(乳穂星カ)」と、完全に水平線下に没すると「ヤマナシ(山無し)」と称する等、金華山を山当て(漁場との距離を測る目安)に利用し、山容が見えない「ヤマナシ」にあっても日没時には金華山へ向かって灯明を捧げて拝む習いであったといい、また、遠洋から戻る際に「ニオボシ」を目にした時には得も言えぬ安堵感を覚えたとも言われる。その他、出漁に際しては金華山で祈祷を受け、山容を目に出来る島浜では正月等に必ずこれを拝むといい、或いは沖を通行する船は灯明を点して米を海中に撒いて拝み、秋刀魚(サンマ)漁では7尾の秋刀魚を海中に捧げて漁の無事と大漁とを祈ったという。また、航路に就いた水夫も航海安全の神として信仰し、安政5年(1858年)の仙台藩の軍艦開成丸(かいせいまる)の航海においても、水夫達は金華山を「御山御山(おやまおやま)」と唱え、大金寺が視界に入ると手を洗い口を漱いで、白米を海中に撒いて拝礼したという。