ミヅハノメ 解説

 


神名の「ミヅハ」は「水走」と解して灌漑のための引き水のことを指したものとも、「水つ早」と解して水の出始め(泉、井戸など)のことともされる。『古事記』には他に闇御津羽神(クラミツハ)があり、これも同じ語源と考えられる。「ミツハ」に「罔象」の字が宛てられているが、罔象は『准南子』(えなんじ)などの中国の文献で、小児などの姿をした水の精であると説明されている。



灌漑用水の神、井戸の神として信仰され、祈雨、止雨の神得があるとされる。丹生川上神社にうかわかみじんじゃ。奈良県吉野郡)などで淤加美神とともに祀られているほか、各地の神社で配祀神として祀られている。大滝神社(おおたきじんじゃ。福井県越前市)摂社・岡神社(おかもとじんじゃ)では、ミヅハノメが村人に紙漉を教えたという伝説が伝わっている。