鳴神社 摂末社 堅真音神社(かたまおとじんじゃ) ①
堅真音神社(かたまおとじんじゃ、堅眞音神社)は、鳴神社の境内社で式内社。旧社格は村社。現在は香都知神社(かつちじんじゃ)と一社に併祀されている。
祭神は次の1柱。
· 神吾田鹿葦津姫命
(かみあだかあしつひめのみこと)
木花開耶姫命(このはなさくやびめのみこと)の別名。
国史では、貞観元年(859年)に従五位上の神階に叙せられ、貞観7年(865年)に官社に列し、貞観8年(866年)に従四位下に叙せられた旨の記載が見える。
『延喜式』神名帳では紀伊国名草郡に「堅真音神社」と記載されて式内社に列しているほか、『紀伊国神名帳』にある「正一位 有真音大神」は堅真音神社に比定される。関連して『和名類聚抄』では名草郡の郷として「有真(ありま)」の記載が見え、和歌山市鳴神付近に比定されている。
堅真音神社は、元は鳴神社の東北約300メートルの地に鎮座した。故地には「堅真音神享保甲辰」として、甲辰年の享保9年(1724年)の銘と見られる碑が建てられている。
明治7年(1874年)4月、近代社格制度において村社に列した。明治40年(1907年)の神社合祀令に伴い鳴神社境内に移転。その後和歌山市神前に分霊が勧請され、社殿が再建された(現・堅真音神社)。