倭姫命 経歴
第10代 崇神天皇の皇女 豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)の跡を継ぎ、天照大神の御杖代(みつえしろ。神や天皇の杖代わりとなって奉仕する者)として大和国から伊賀・近江・美濃・尾張の諸国を経て伊勢の国に入り、神託により皇大神宮(伊勢神宮内宮)を創建したとされる(御杖代は依代(よりしろ)として神に仕える者の意味であるが、ここでは文字通り「杖の代わり」として遷幸を助ける意味も含まれる。ちなみに、倭姫命が伊勢神宮を創建するまでに天照大神の神体である八咫鏡(やたのかがみ)を順次奉斎した場所は「元伊勢」(もといせ)と呼ばれる)。後に、東夷(とうい)の討伐に向かう日本武尊(やまとたけるのみこと。尊は倭姫命の甥王にあたる)に草薙剣(くさなぎのつるぎ)を与えている。伊勢では、伊勢の地に薨じ、尾上御陵(おべごりょう)に埋葬されたと伝える。伊勢の地で天照大神を祀る最初の皇女で、これが制度化されて後の斎宮となった。