伊古奈比咩命神社 文化財 下田市指定文化財 ②

 


有形文化財 ②

· 山吹双鳥鏡

やまぶきそうちょうきょう。工芸品) 

青銅鋳製、表面径11.4センチメートル、縁厚0.7センチメートル。花形中隆鈕(はながたちゅうりゅうちゅう)で、全体には山吹を散らし、その中に双鳥を配した文様がやや肉高に鋳出されている。鎌倉時代の作とされる。この山吹双鳥鏡もまた、文化9年(1812年)9月に御正躰とともに掘り出されたと伝える。昭和56年8月7日指定。

· 薬師如来坐像

(彫刻) 

一木割矧造(いちぼくわりはぎづくり)、彫眼で、像高86.2センチメートルの薬師如来像。明治の廃仏毀釈で解体されたのち復元されたもので、現在は漆塗りとなっている。薬師如来は、三嶋神の本地仏とされている。縄を巻いたような特異な頭髪の表現は、京都清凉寺(せいりょうじ)の釈迦如来像に代表される、鎌倉時代以降に流行した様式である。また、やや面長で男性的な独特の表情には宋風彫刻の影響が色濃く見られ、鎌倉後期の彫刻の特徴を有している。昭和56年8月7日指定。

· 佐野北条氏忠朱印状

(古文書) 

楮(こうぞ)紙の折紙で、縦29.0センチメートル、横56.5センチメートル。天正11年(1583年)に、北条氏忠(佐野氏忠)から白浜郷名主百姓中に下された年貢の割付状である。裏面には、江戸時代後期に藤井伊予(昌幸)の依頼を受けた伴信友国学者)の考証が記されている。戦国時代の貢祖納入の実態を知る上で貴重な文書とされる。昭和60年12月23日指定。