補陀落渡海 関連作品
l 補陀落渡海を取り上げた有名な文学作品として、井上靖の短篇「補陀洛渡海記」がある。
l 『美味しんぼ』103巻「日本全県味巡り 和歌山編」に、「クロシビカマス」(通称『ヨロリ』)は、補陀落渡海から逃げ帰った僧を村の役人が叩き殺し、その僧の祟りでヨロリは黒くなったとの言い伝えが掲載されている。
l 諸星大二郎(もろほし だいじろう)の稗田礼二郎(ひえだ れいじろう)シリーズ『六福神』に収録されている短編漫画『帰還』は、補陀落渡海の直前になって里の娘に恋心を抱いた僧侶が無理矢理海に流されて怨霊となり、娘の名前を呼びながら渡海船で帰還する話である。四方を鳥居で囲まれた渡海船の解説がある。
l 藤子・F・不二雄のSF短編コミック「旅人還る」において、亜光速航行と冷凍睡眠を併用して一人の宇宙飛行士を宇宙の果てへと送り届ける片道宇宙旅行は「フダラク計画」と呼ばれていた。
l 安武わたる(やすたけわたる)「まんがグリム童話 日本の鬼母・悪女伝」に収録の短編「浄土へいく舟」。補陀落渡海をテーマに描かれた残酷童話漫画。嵐の翌朝美しい女性が砂浜に流れついた。渡海を控えた61歳の住職、日厳は寺に女を迎え入れるが次第に強い煩悩に引き込まれていく。