阿加流比売神 解説

 

『古事記』の阿加流比売神の出生譚は、女が日光を受けて卵を生み、そこから人間が生まれるという卵生神話の一種であり、類似した説話が東アジアに多く伝わっている。例えば扶余(ふよ)族の高句麗始祖 東明聖王(とうめいせいおう)(朱蒙(しゅもう/チュモン))や新羅の始祖 赫居世(かくきょせい)、倭より渡った新羅王族昔氏の伝承、伽耶諸国のひとつ金官国(きんかんこく)の始祖 首露王(しゅろおう)の出生譚などがそうである。

 

 

『古事記』に記述された「難波の比売碁曾社」に相当する神社として大阪市東成区東小橋の比売許曽神社(ひめこそじんじゃ)があるが、現在、この神社の主祭神大国主の娘の下照比売命(したてるひめのみこと)とされている。他に、アメノワカヒコの従者であるアメノサグメと同一視されることもある。

 

 

『摂津国風土記』逸文の比売島と同名の姫島神社(ひめじまじんじゃ)が大阪市西淀川区姫島町にあり、阿迦留姫命(神社伝承による)が住吉大神とともに祀られている。ほかに、大阪市平野区平野東の赤留比売命神社あかるひめのみことじんじゃ。三十歩神社(さんじゅうぶじんじゃ))にも阿加流比売神が祀られている。

 

 

「豊国の比売語曾社」は、大分県姫島比売語曽社(ひめこそしゃ)である。『豊前国風土記』逸文にも、新羅国の神が来て河原に住んだので鹿春神(かわらのかみ)というとある。