神葬祭 特徴

 

 

l 諡号が贈られる

 - 仏教では、多くの宗派で、死後の名前として僧侶戒名法名を付けてもらうが、神道ではそれに当たるものは諡号しごう。おくりな)である。仏式の位牌にあたる霊璽(れいじ。御霊代(みたましろ)ともいうには、大体の場合は、故人の氏名が先ず書かれ、最近は無い場合が多いが、戒名と同様にその次に故人の性質業績や亡くなった時節などをあらわす尊称を連ね、最後に年齢性別に応じるが、成人男性の場合「大人(うし)」、女性の場合は「刀自(とじ)」などでくくられる形で霊号が墨書きされる。「大人」以外には「若子(わかひこ)・童子(わらこ)・郎子(いらつこ)・彦・老叟(おおおきな)・翁・大翁・君・命・尊」「刀自」以外には「童女(わらめ)・郎女(いらつめ)・大刀自・媼(おおな)・大媼・姫・媛」など死亡年齢や業績に応じた呼称が贈られることもある。諡号の例としては、○○○○美志真心高根大人、○○○○早苗童女(幼くして亡くなった女の子)(○○○○は氏名)のように贈られる。

 

l 法名料・戒名料が存在しない

 - 神葬祭では前述の通り年齢・性別で区別するのみであるので、仏教の葬儀における法名料や戒名料がかかることがない場合がほとんどである。

 

l 線香は使わない

 - 仏式の場合、葬儀においては焼香をし、霊前には線香を立てるが、神葬祭では焼香や線香を用いることはまず無い。神葬祭においてこれに当たるものは玉串奉奠(たまぐしほうてん)である。玉串とはなどの木の枝に紙垂(しで)を付けたものである。参拝者の真心を表す紙垂を供えることに意味があるため、榊が大量に用意できない地域などでは、大きな榊の木に紙垂を順に掛けていく掛け玉串という形で行われることもある。容器に米や酒を注ぐ献米や献杯の場合もある。

 

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 - 神道の奥津城(おくつき奥都城、奥城とも書く)と言う。形は一般に神宝 天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)(または烏帽子)を象って頂点を尖らせるが、そうでない場合もあり、正面に「○○家奥津城」と刻む。お参りをするときは線香は立てず、榊・米・塩・水・酒等を供える。もちろん、故人が生前好んだ食べ物や花を供えても差し支えない。

 

l 祖霊舎

 - 祖霊舎(みたまや。御霊舎、御霊屋とも書く)とは、仏式の仏壇に当たるものである。たいていは製で、一般に仏壇よりも簡素なものである。通常、神棚の下に祭る。普段の拝礼の作法、お供えなどは神棚と同じように行うが、順番は神棚を先、祖霊舎を後にする。