アメノタヂカラオ 信仰
力の神、スポーツの神として信仰されており、
戸隠神社(とがくしじんじゃ。長野県長野市)、
佐那神社(さなじんじゃ。三重県多気郡多気町)、
長谷山口坐神社(はせやまぐちにいますじんじゃ。奈良県桜井市)、
白井神社(しらいじんじゃ。兵庫県尼崎市)、
雄山神社(おやまじんじゃ。富山県中新川郡立山町)、
手力雄神社(てぢからおじんじゃ。岐阜県岐阜市)、
手力雄神社(てぢからおじんじゃ。岐阜県各務原市)、
戸明神社(とあけじんじゃ。福岡県北九州市)、
天手長男神社
(あめのたながおじんじゃ/あまのたながおじんじゃ。長崎県壱岐市)、
神命大神宮那須別宮
(しんめいだいじんぐう なすべつみや。栃木県那須郡那須町)
などに祀られている。
長谷山口坐神社は、元伊勢(もといせ)の「磯城厳橿(しきいつかし。伊豆加志(いつかし))の本」伝承地といわれ、鎮座地の字名は、手力雄といい、垂仁天皇の代に倭姫命(やまとひめのみこと)を御杖として、約8年間天照大神を祀り、当時、随神としてこの地に天手力雄神を、北の山の中腹に栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)を祀る二柱を鎮座せられたという。
戸隠神社については、タヂカラオが放り投げた岩戸の扉が信濃国戸隠山(とがくしやま)に落ちたという伝説がある。
雄山神社に祀られるタヂカラオは立山信仰の神である。立山山頂にある峰本社の本尊は2つあって、本地垂迹によって 阿弥陀如来がイザナギ、不動明王がタヂカラオであるとされた。元々雄山神社と戸隠神社はどちらも山岳信仰を起源とする神社であり、この神が山岳信仰と関係のある神であることを示している。日本には、祖霊は山に帰り、田の神は山から降りてくるなど、山は異界であるという観念があった。これが仏教の地獄の思想と結びついて平安時代以降の山岳信仰となる。異界である山との境界から、タヂカラオが引き開けた天岩戸が連想され、タヂカラオが山と結びつけられたものと考えられている。
怪力を持つというイメージのあるタヂカラオは、昔から人々に人気があり、各地にタヂカラオが登場する神楽が伝わる。