安房神社 祭神
本宮(上の宮)の祭神は次の7柱。
主祭神
o 天太玉命(あめのふとだまのみこと)
- 忌部氏(いんべうじ。斎部氏)祖神。
相殿神
o 天比理刀咩命(あめのひりとめのみこと)
- 后神。
o 忌部五部神
§ 櫛明玉命(くしあかるたまのみこと)
- 出雲忌部の祖。
§ 天日鷲命(あめのひわしのみこと)
- 阿波忌部の祖。
§ 彦狭知命(ひこさしりのみこと)
- 紀伊忌部の祖。
§ 手置帆負命(たおきほおいのみこと)
- 讃岐忌部の祖。
§ 天目一箇命(あめのまひとつのみこと)
- 筑紫忌部・伊勢忌部の祖。
『延喜式』神名帳での記載は「安房坐神社」の1座。同帳ではそれに続けて式内大社「后神天比理乃咩命神社(天比理刀咩命神社)」の記載がある。これは安房坐神社の后神(妃神/妻神)を祀る神社と見られ、現在では洲崎神社(すさきじんじゃ/すのさきじんじゃ。館山市洲崎)・洲宮神社(すのみやじんじゃ。館山市洲宮)に比定されているが、いつの頃からか安房神社でも上記のように相殿神として併祀されている。
神名帳の記す「安房坐神社」とは「安房に鎮座する神の社」の意味になり、この記載からは元々の神格を明らかとしない。その具体的な神格を巡っては後述のように『古語拾遺』・『先代旧事本紀』・『高橋氏文』(たかはしうじぶみ)逸文の記述を基に諸説があるが、現在の安房神社由緒では上記のように忌部氏祖神の天太玉命を指すとしている。