ウワハル・シタハル 解説
『先代旧事本紀』(「天神本紀」てんじんほんぎ)によると、両神は共に八意思兼神(やごころおもいかねのかみ)の御子神(みこがみ)で、饒速日命(にぎはやひのみこと)が天磐船(あめのいわふ
ね)に乗って天降った時、護衛として随従した32柱の神の2柱。
天表春命(あめのうわはるのみこと)は信乃阿智祝部(しなののあちのほうりべ)等の先祖とされ、天下春命(あめのしたはるのみこと)は天表春命の弟神と見られ、知々夫国造(ちちぶのくにのみやつこ)の先祖とされる。また大伴部氏(おおともべうじ)の祖ともいわれる。
なお『高橋氏文』(たかはしうじぶみ)に「知々夫(秩父)国造の上祖、天上腹、天下腹人」と見える人名は、この両神に関係があると見られている。