大嘗祭 式次第 本祭(ほんまつり)当月までの儀式

 

8月上旬には、大祓使(おおはらえし)を卜定し、左京右京に1人、五畿内に1人、七道に各1人を差し遣わして祓い、8月下旬にはさらに祓使を差し遣わして祓った。この祓いが済むと、伊勢神宮以下、各国の天神地祇幣帛を供え、告文(こうもん)を奏じた。また、8月下旬には、抜穂使(ぬきほのつかい、ぬいぼのつかい)を卜定して斎国に遣わし、抜穂使はその国で斎田と斎場雑色人(ぞうしきにん)造酒童女(さかつこ)らを卜定した。9月になると斎田から稲穂を抜き取り、初めに抜いた4束を御飯(みい)とし、あとは黒酒(くろき)・白酒(しろき)として供される。御飯や黒酒、白酒は、9月下旬から祭日まで、都に設けられた斎場院外の仮屋に収められる。10月下旬には、天皇は川に臨んで御禊(ぎょけい)した。この御禊は、江戸時代中期以降になると皇居内で行われた。