佐保姫 有名な詩歌
· 佐保姫の糸染め掛くる青柳を吹きな乱りそ春の山風
平兼盛(たいらの かねもり)
『詞花和歌集』(しかわかしゅう)
(佐保姫が染めた糸を掛けた柳の枝を吹き乱さないでおくれ春の山風よ)
ここでは柳の瑞々しい若葉を佐保姫の染めた糸にたとえている。
· 佐保姫の霞の衣ぬきをうすみ花の錦をたちやかさねむ
後鳥羽院
『後鳥羽院御集』(ごとばいん ぎょしゅう)
(佐保姫の霞の衣は横糸が少ない(薄織りにしている)ので、花でできた錦を重ね着するのだろうか)ここでは春霞を軽くやわらかな薄織りの絹に譬えている。