薪能(たきぎのう)
薪能(たきぎのう)は、主として夏場の夜間、能楽堂、もしくは野外に臨時に設置された能舞台の周囲にかがり火を焚いて、その中で特に選ばれた演目を演じる能楽。「薪の宴の能」の意。起源は平安時代中期にまで遡り、奈良の興福寺(こうふくじ)で催されたものが最初だという。興福寺では、現在5月の11日、12日に薪能が行われている。ただし興福寺では薪御能(たきぎおのう)と呼ぶ。また、薪御能の源流はあくまで神事・仏事の神聖な儀式であり、野外で薪を燃やせば薪能になるのではないとしている。しかし公的団体が、日本文化の趣旨を地域住民に理解してもらうように様々な資料を用意し、能楽を広めるために行っている行事を、能楽関係者が深く関わることにより、政(まつりごと)としての薪能の趣旨が生きてくるという考え方もある。
現在、各地の神社仏閣(日前神宮(ひのくまじんぐう)・國懸神宮(くにかかすじんぐう)、平安神宮(へいあんじんぐう)、長田神社(ながたじんじゃ)、増上寺(ぞうじょうじ)、神田明神(かんだみょうじん。神田神社)、生國魂神社(いくくにたまじんじゃ)、称名寺(しょうみょうじ)など)や庭園(大阪城西の丸庭園、新宿御苑、愛知県小牧城麓など)で催されている。