天道根命 事跡 国造職
国造制については第26代継体(けいたい)天皇朝から第29代欽明(きんめい)天皇朝にかけて(6世紀前半)、大和の王権が地域の支配のために在地の首長層を再編した制度であると見るのが通説とされ、従って初代の神武天皇朝に掛けて語られる国造就任は『先代旧事本紀』国造本紀に見える諸国の国造とともに信じ難い所伝であるとされているが、制度としての国造が後の畿内から順次整備されたであろう事、畿内以外の国造の多くが第13代成務(せいむ)天皇から第16代仁徳(にんとく)天皇の時代に掛けて任じられたとされている事等から、これは国造制が整備されて行く初期の段階という相対的に早い時期に紀伊国造が設けられた反映であろうとの見方もある。