左義長 各地の祭り 文化財指定
神奈川県大磯町(おおいそまち)の左義長は国指定の重要無形民俗文化財で、セエノカミサン(道祖神)の火祭りとして、毎年1月14日近辺に大磯北浜海岸で行われている。松の内(1月7日)が過ぎると子どもたちは正月のお飾りを集めて歩き回り、青年たちはセエトの材料となる松や竹を調達する。 次いで、町内各所に大竹やおんべ竹を立て、町内境に道切りのシメを張るほか、セエノカミサンのお仮屋を作り子どもたちが籠る。祭り当日、町内各所のおんべ竹やお仮屋などが片付けられ、集められたお飾りや縁起物は浜辺に運ばれ、9つの大きな円錐型のサイトが作られる。日が暮れるとセエノカミサンの宮元や宮世話人が、その年の恵方に火をつける。この火で団子を焼いて食べると風邪をひかない、燃やした書き初めが高く舞い上がると腕が上がる、松の燃えさしを持ち帰って屋根に載せておくと火災除けのまじないになる、などともいわれている。
富山県 下新川郡(しもにいかわぐん)入善町(にゅうぜんまち)上野邑町(うわのむらまち)地区で毎年1月15日または、15日に近い日曜日に行われる「塞(さい)の神まつり」という左義長(火祭り)行事で、子供達が塞の神と呼ばれる男女一対の白木でできた木偶(でく)人形(デクノボー)を持ち「塞の神じゃ、大神じゃ、じいじもばあばも、ほこほこじゃ、来年むけや、十三じゃ…」と唄いながら地区内の家庭を回り、正月飾りや書初め、米、豆などを集め、火祭り会場では竹と藁で中を部屋状にして角錐に積み、集めてきた正月飾りや書初め、米、豆などを藁と共に中と周りに積み、最後に木偶人形(デクノボー)を中に安置し火を着ける。子供達が「塞の神じゃ、大神じゃ、…」と何度も繰り返し唄う中、木偶人形を完全に焼き尽くし灰になると終了となる。2010年(平成22年)3月には、「邑町のサイノカミ」として国の重要無形民俗文化財に指定された。
島根県大田市(おおだし)五十猛町(いそたけちょう)大浦地区に伝承される「五十猛のグロ」は、左義長(どんど焼き)と同趣旨の小正月の行事で、2005年(平成17年)2月21日に国の重要無形民俗文化財に指定された。
滋賀県近江八幡市の左義長まつりは3月14日・15日に近い土・日曜日に、担ぎ手の男性が信長の故事によって化粧し、「チョウヤレ、マッセマッセ」のかけ声高く実施される。この左義長は据え置く左義長ではなく、三角錐の松明に、ダシと言われるその年の干支にちなんだ飾り物(五穀や海産物等すべて自然物で飾り付ける)を付け、松明の頭に「十二月」と言われる赤い短冊をつけた5 - 6メートルの竹を差して練り歩く祭礼である。地区毎に左義長を持ち、町中で左義長同士が出会うと、ぶつけ合う喧嘩が始まる。最終日の夜には担ぎ棒を除いて全て燃やしてしまう。国選択無形民俗文化財に選択されている。
岐阜県海津市の今尾(秋葉)神社で2月の第二日曜日に行われる「今尾の左義長祭」も大規模であり、岐阜県重要無形民俗文化財に指定されている。多くの「どんど焼き」や「左義長」の火祭りは小正月(1月14日・15日)を中心に年神を送る火祭りとして、正月飾り等を一定の地に積み、それを焚きあげる方式をとっているが、今尾の左義長は13の町内ごとに作成した青竹の作り物(竹お神輿または左義長という)を化粧をした若衆が各町内より秋葉神社まで担いだり、引いたり(吊り込み)して奉納し、その竹神輿を焚きあげるという特色のある神事で全国唯一の方式で行っている。左義長の大きさは、大人用みこしで直径2メートル、高さ5メートル、重さ1.5トンぐらいあると云われている。昭和55年(1980年)に岐阜県の「重要無形民俗文化財」に指定された。