武内宿禰 系譜 ①
『日本書紀』景行天皇紀では、屋主忍男武雄心命(やぬしおしおたけおごころのみこと)と、菟道彦(うじひこ。紀氏遠祖)の女の影媛(かげひめ)との間に生まれたとする。孝元天皇紀では、孝元天皇(こうげんてんのう。第8代)皇子の彦太忍信命(ひこふつおしのまことのみこと)を武内宿禰の祖父とすることから、武内宿禰は孝元天皇三世孫にあたる。なお、応神天皇紀では弟(母は不明)として甘美内宿禰(うましうちのすくね)の名が見える。
『古事記』では、孝元天皇皇子の比古布都押之信命(ひこふつおしのまことのみこと。彦太忍信命)と、宇豆比古(紀国造)の妹の山下影日売との間に生まれたのが建内宿禰(武内宿禰)であるとし、孝元天皇皇孫にあてる。同書においては、異母兄弟(長幼不詳)として味師内宿禰(甘美内宿禰)の名が見える。