神功皇后 肖像が描かれた紙幣と切手
明治時代の改造紙幣にその肖像が用いられ、これが日本における最初の女性肖像紙幣となった。その原版はイタリア人技術者エドアルド・キョッソーネが作成したため、西洋風の美人に描かれている。なお、中央銀行たる日本銀行発足以前の事であるためこの紙幣は日本銀行券ではなく、不換紙幣の「政府紙幣」であった。
逓信省は1908年に5円と10円の高額切手を発行したが、皇后の肖像が使われた。この肖像は紙幣のそれを参考にしたものであったが、当時5円と10円は高額であり郵便料金よりも電信電話料金の納付用に使われることが多かった。また1923年に関東大震災で印刷所が被災し印刷原版が破損したため1924年から日本人風の肖像に図案が変更された。そのため切手収集家から前者を旧高額切手、後者を新高額切手と呼ばれている。