香取神宮 考証 祭神・祭祀氏族について ②
祭祀氏族としては、古くは経津主神の神裔を称する香取氏(かとりうじ)であったことが知られているが、その香取氏の本質は物部氏であると指摘する説がある。その中で、フツノミタマとフツヌシの関連性、史書に見える周辺の物部氏族の存在から、フツヌシが物部氏の氏神として祀られたと推測がなされている。一方、香取神宮が下海上国造(しもつうなかみこくぞう)の氏神であったとし、その国造を担った他田日奉部氏(おさだのひまつりべうじ)を原始氏族に推測する説もある。他田日奉部氏は宗教的部民で、直(あたい)という従属性の強いカバネを有しており、「イハヒヌシ」という奉仕する神の性格とも合致すると指摘される。一方、香取氏はこの下海上一族の支配下にあったと見る説もある。