鹿島神宮 神宝 

 

常陸帯(ひたちおび)

常陸帯(ひたちおび)は、神宮に伝わる神宝。神宮皇后三韓征伐(さんかんせいばつ)での鹿島神の守護に感謝して奉納した腹帯であるとされる。古くより本殿深く箱の中に納められており、現在も見ることはできない。

 

 

この伝承に基づき、かつて1月14日には「常陸帯神事」が行われていた。祭事では、男女の名を記した帯の先を神前に供え、神主がそれを結び合わせ結婚が占われたという。『源氏物語』竹河(たけかわ)の巻や『古今和歌六帖(こきんわかろくじょう)にも記載が見え、その平安時代当時においてもすでに古い習俗と見なされている。その後、この祭事は妊婦に腹帯を授ける安産信仰に変化していった。