熊野那智大社 境内

 

 

参道の長い石段の上は、右に青岸渡寺(せいがんとじ)があり、左はの大鳥居と大社の境内が続いている。拝殿の奥には鈴門(れいもん)・瑞垣(みずがき)を挟んで本殿があり、向かって右から滝宮(たきみや。第一殿)、証誠殿(しょうじょうでん。第二殿)、中御前(第三殿)、西御前(第四殿)、若宮(第五殿)が並んでいる。正殿の第四殿が最も大きく、若宮の左手前には第六殿(八社殿)がある。

 

 

なお、現在は山の上に社殿があるものの、後述のように元来は那智滝(なちのたき)に社殿があり滝の神を祀ったものだと考えられる。那智の滝は「一の滝」で、その上流の滝と合わせて那智四十八滝(なちしじゅうはちたき)があり、熊野修験の修行地となっている。熊野三山の他の2社(熊野本宮大社熊野速玉大社)では、明治の神仏分離令により仏堂が廃されたが、那智では観音堂が残され、やがて青岸渡寺として復興した。青岸渡寺は西国一番札所である。那智山から下った那智浜には補陀落渡海(ふだらくとかい)の拠点となった補陀洛山寺(ふだらくさんじ)がある。