御柱祭 下社の御柱
下社の御柱は下諏訪町の東俣(ひがしまた)国有林から切り出される。伐採は御柱年の1年前に行われ、山出し開始地点の棚木場(たなこば)に安置される。伐採が早い分、木が乾燥し重さは上社より軽い6〜8トン。戦前までは東俣国有林から山出しをしていたが、傾斜が急で事故が相次いだため戦後は現在の棚木場に移った。初日に春宮四、春宮三、秋宮二、2日目は秋宮四、春宮一、春宮二、秋宮三、秋宮一の順で曳き出す。
木落し
木落し坂は最大斜度35度、距離100m。追い掛け綱が斧で切られ、御柱は猛然と坂を突き進む。近年では、坂の土を掘ってしまい、途中で止まってしまったり、非常にゆっくり落ちてきたりしていたが、2016年は坂に笹が敷かれ、止まりにくく、落ちるスピードが上がった。順番は初日に春宮四、春宮三、秋宮二、2日目が秋宮四、春宮一、春宮二、最終日は秋宮三と一番大きな秋宮一が最後に木落しされる。山出しの最終日の翌日に注連掛祭(しめかけさい)という、御柱の周囲に白樺を立てて注連縄(しめなわ)で囲う祭りが開かれ5月の里曳きまで安置される。
里曳き
5月、上社里曳きの翌週、注連掛から8本の御柱を曳行し、春宮・秋宮の両境内に建御柱されるまでの祭。春宮一、春宮二、春宮三、春宮四、秋宮一、秋宮二、秋宮三、秋宮四の順で曳き出す。国道142号から旧中山道へ入った御柱は春宮境内裏側斜面からの木落しによって春宮境内に曳きつけられ、春宮一はその日のうちに建てられる。秋宮の4本の柱は春宮境内を経て下馬橋の前までの曳行で初日を終える。2日目、春宮では二、四の建御柱が行われる。秋宮の御柱は下諏訪町内を曳行され、秋宮一、二、三は境内まで曳きつけられる。最終日は秋宮四も境内に曳きつけられ、春宮三と秋宮の4本全ての建御柱が行われる。最後を飾る秋宮四の建御柱は夕刻に行われる。
建御柱
上社同様、先端を三角錐に整える「冠落し」(かんむりおとし)を行った後、数本のワイヤが取り付けられ、車地と呼ばれる回転式巻上げ機を氏子が回転させると、御柱は徐々に立ちあがっていく。これは、上社の建御柱と同様である。