厳島神社 社殿 

 

社殿は波の穏やかな瀬戸内海の島の北岸に位置するとはいえ、海域に建っているため、台風などによって被害を受けることもしばしばである。20世紀以降では、1945年9月17日の山津波で各建物の床下に土砂が流れ込む被害を受けた。1950年9月13日のキジア台風と1951年10月14日のルース台風でも高潮の被害を受けている。1991年9月27日の台風19号による被害は甚大で、左楽房の部材が流出し、それをロープで繋ぎ止めている間に能舞台が倒壊した。2004年9月の台風でも左楽房が倒壊するなどの被害があった。こうした高潮等の被害のため、外海寄りに位置する左右楽房、平舞台などはたびたび修理を受けており、古い部材は残っていない。一方で、本殿・幣殿・拝殿などの主要建物は、1991年の台風で檜皮葺屋根がめくれるなどの被害はあったが、建物の根幹部はさほど甚大な被害を受けていない。