大国主の神話 あらすじ 根の国訪問 ②

 

スサノオは葦原色許男神を家に入れ、頭の虱(しらみ)を取るように言った。ところが、その頭にいたのはムカデであった。葦原色許男神は,スセリビメからもらった椋(むく)の実を噛み砕き、同じくヒメにもらった赤土を口に含んで吐き出していると、スサノオはムカデを噛み砕いているのだと思い、かわいい奴だと思いながら眠りに落ちた。

 

 

葦原色許男神はこの隙に逃げようと思い、スサノオの髪を部屋の柱に結びつけ、大きな石で部屋の入口を塞いだ。スサノオの大刀と弓矢、スセリビメの琴を持ち、スセリビメを背負って逃げ出そうとした時、琴が木に触れて鳴り響いた。その音でスサノオは目を覚ましたが、その際に髪が結びつけられていた柱を引き倒してしまった。スサノオが柱から髪を解く間に、葦原色許男神は逃げることができた。

 

 

スサノオは、葦原中津国(地上)に通じる黄泉比良坂(よもつひらさか)まで葦原色許男神を追ったが、そこで止まって逃げる葦原色許男神に「お前が持つ大刀と弓矢で従わない八十神を追い払え。そしてお前が大国主、また宇都志国玉神(ウツシクニタマ)になって、スセリビメを妻として立派な宮殿を建てて住め。この野郎め」といった。葦原色許男神は出雲国へ戻って大国主となりスサノオから授かった太刀と弓矢を持って、八十神を山坂の裾に追い伏せ、また河の瀬に追い払い、全て退けた。そしてスセリビメを正妻にして、宇迦の山のふもとの岩の根に宮柱を立て、高天原に届く様な立派な千木(ちぎ)のある新宮を建てて住み、国づくりを始めた。

 

 

ヤガミヒメは本妻のスセリビメを恐れ、オオナムヂとの間に生んだ子を木の俣に刺し挟んで実家に帰った。