年神 来方神

 

毎年正月に各家にやってくる来方神(らいほうしん)である。地方によってはお歳徳(とんど)さん、正月様、恵方神、大年神(大歳神)、年殿(としどん)トシドン、年爺さん(としじいさん)、若年さん(わかどしさん)などとも呼ばれる。

 

 

現在でも残る正月の飾り物は、元々年神を迎えるためのものである。門松は年神が来訪するための依り代であり、鏡餅は年神への供え物であった。各家で年神棚・恵方棚などと呼ばれる棚を作り、そこに年神への供え物を供えた。

 

 

鹿児島県 薩摩川内(さつませんだい)市下甑島(しもこしきしま)に伝わる年神は、トシドンとよばれる。

 

 

また陰陽家では、娑謁羅竜王(しゃからりゅうおう)の娘、女神・頗梨采女(はりさいじょ)のことを年神といい、元旦に来訪する神霊という。のちに、これに先祖霊が加えられ、習合した。