滝祭神(たきまつりのかみ)

 


滝祭神(たきまつりのかみ)は、伊勢神宮皇大神宮(内宮)の所管社。内宮の宮域内、御手洗場(みたらし)のすぐ近くに鎮座する。



社殿を持たない神社であり、所管社でありながら別宮と同等の祭祀が捧げられる特別な神社である。




 

三重県伊勢市宇治館町、内宮の宮域に鎮座する。内宮の所管社30社のうち第1位である。内宮鎮座地を象徴する河川である五十鈴川(いすずがわ)水神祭神であるため、別宮と同様の祭祀が執行される。『宇治山田市史』では

 

瀧祭神は古来別宮に準じて神饌を供進し奉れる神なれば、特に別宮の次、摂社の上に列せらるゝのである。 ” 

 

と記している。



地域住民からは「おとりつぎさん」として親しまれる。内宮(正宮)に詣でる前に滝祭神を参拝すると、天照大神に願い事を取り次いでくれると言われている。



社殿はなく、板垣の内側には神体が祀られている。社殿がない理由は神宮関係者にも分からず、更に物忌の奉仕まで捧げられることは謎であり、安永(あんえい)4年(1775年)の『大神宮儀式解』でも「深き所以有る故」としか触れられていない。伊勢神宮の摂社・末社・所管社には通例、賽銭箱は置かれていないが、滝祭神には賽銭箱が置かれている。