『ウエツフミ』・『竹内文書』におけるウガヤ朝 ①
『ウエツフミ』・「竹内文献」の共通点
『ウエツフミ』によればウガヤ朝は74代、「竹内文献」によれば72代続いたが、兄弟相続等もあるので世代数でいうと62世代。神武天皇とその兄・五瀬命は第62世代にあたる(ただしこれは女帝を経由して数えたもので男女混系での世代数。純粋に男系だけでたどると55世)。五瀬命も即位していて第72代(最終代)にあたる。
· ウガヤ朝の女帝
このうち19人は女帝である。女帝の配偶者は『ウエツフミ』では「ヨサチヲ(世幸男?)」または「ヤサキヲ(弥幸男?)」とよぶ(「竹内文献」では「世幸男」の表記で統一)。ちなみに皇太女(女性皇太子)の婿は「タトリヲ(手執男)」といい、皇太女が女帝になると「ヤサキヲ」に昇格する。しかし、独身の皇太女が即位にともなって、はじめてヤサキヲを迎える例の方が多い。また男帝か女帝かを問わず、生涯独身だった天皇が何人かいる。ヤサキヲは、必ず皇胤(男帝の男系子孫)であるため、女帝が数代連続するケースがあるが、男系でのつながりは途切れない(皇子か皇孫か皇曽孫か皇玄孫であるが皇孫が多い。玄孫だと途中に別の女帝のヤサキヲがいる場合もある)。ヤサキとは『ウエツフミ』における年齢階層制での最高位をさす言葉で、女帝の配偶をさす言葉としてはややおかしい。系図上の傍系継承をした場合に、その配偶となる直系女性を女帝と改変している可能性もある。