祟り神(たたりがみ)
祟り神(たたりがみ)は、荒御魂(あらみたま)であり畏怖され忌避されるものであるが、手厚く祀りあげることで強力な守護神となると信仰される神々である。また、恩恵をうけるも災厄がふりかかるも信仰次第とされる。すなわち御霊信仰(ごりょうしんこう)である。その性質から、総じて信仰は手厚く大きなものとなる傾向があり、創建された分社も数多い。
平安京、京の都で長くとりおこなわれている祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)は、祟り神を慰撫し鎮魂する祭りである。主祭神である「祇園神」(ぎおんのかみ)「牛頭天王」(ごずてんのう)はまさにこの意味での祟り神の代表格であり、疫病をもたらす厄神であると同時に、手厚く祀る者には守護神として働くとされ、全国各地に牛頭天王社が創建された。
素盞嗚尊(スサノオノミコト)によって退治された八岐大蛇(ヤマタノオロチ)などは代表的な祟り神である。八岐大蛇から現れ出た宝剣 天叢雲剣は三種の神器として神剣として祀られる。
しかしながら、『日本書紀』には天武天皇が天叢雲剣の祟りが原因で崩御、『日本後紀』(にほんこうき)には桓武天皇が十握剣(とつかのつるぎ。八岐大蛇を征服した宝剣)の祟りが原因で崩御したとあり、神剣の祟りは相当なものと認識されていたようである。
前者は熱田神宮(あつたじんぐう)から盗まれ行方不明だった天叢雲剣が献上され宮中にとどめおいたところ、後者は石上神宮(いそのかみじんぐう)から平安京へ無理矢理移動させたため祟ったとある。結局、畏れをなされた神剣は元の場所に戻されることとなった。