狛犬 神使
獅子・狛犬と同様の役割を果たす神仏の守護獣として猪・龍・狐・狼・虎などもあり、これら動物は神使(しんし)と呼ばれる。この神使は神社(祀られる神)によって特定の動物が採用されている場合が少なからずある。稲荷神(いなりのかみ、いなりしん)に狐、春日神(かすがのかみ)に鹿、弁財天には蛇、毘沙門天には虎などが代表的な物である。また、土地の伝承などに基づくものもある。例えば、岩手県の常堅寺(じょうけんじ)では河童伝説に基づき狛犬の代わりに河童像が置かれている。京都府京丹後市の金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)の境内社木島社(きじましゃ)には狛犬ならぬ狛猫(こまねこ)像が置かれ、阿吽の配置も左右逆となっている。大阪府大阪市天王寺区の大江神社(おおえじんじゃ)には狛虎(こまとら)があり、阪神タイガースの優勝を祈願する張り紙や木札や阪神ファンからメガホン、虎の小さい置物やぬいぐるみなどが供えられている。