天孫降臨 考察等
谷有二(たに ゆうじ)は「元より伝説であり特定はできないが」とした上で、伝説の地をクシフルに音の似た九重連峰(くじゅうれんぽう)や久住山(くじゅうさん)とする説等を紹介している。谷自身は、高千穂を「高い山」の意とし、添(ソホリ)がソウルと同じ王の都であるなど韓国との関連を示す記載と前述の瓊々杵尊の言葉から、本来は九州北部が伝説の地であったが、政策上の都合で九州南部に移動したとしている。また、谷はソホリに「大きい」の意のクがついたものがクシフルである可能性とカシハラとの類似性も指摘している。
古田武彦(ふるた たけひこ)は福岡県の日向峠(ひなたとうげ。笠沙岬(かささみさき)の真北)を天孫降臨の伝説の発祥地とする。
その他にもクシフルの比定地は多くある。
クシフルと同様、ソウルが変化したとされる脊振山(セフリサン)は、福岡県と佐賀県の境にあって、韓国(カラクニ)=朝鮮半島南部が対馬の向こうに見える山である。
神武天皇述懐による経過年
『日本書紀』巻3神武紀によると磐余彦(いわれひこ。後の神武天皇)が、日向国の高千穂宮にいた45歳の太歳(たいさい)が甲寅(きのえとら)の歳に、兄弟や皇子に、天祖降跡以来、一百七十九万二千四百七十餘歳(179万2470余年)が経ったと述べたという。