天孫降臨 火中出産 日本書紀 ③



第九段一書(三)では、まず神吾田鹿葦津姫の火中出産を述べる。



· 最初に炎(ほのお)が明るい時に生まれた子が火明命(ほのあかり)である。



· 次に、炎(ほむら)が燃え盛る時に生まれた子が火進命(ほのすすみ)である。または火酢芹命(ほのすせり)と言う。



· 次に、炎が鎮まった時に生まれた子が火折彦火火出見尊(ほのおりひこほほでみのみこと)である。




この併せて三子(みはしらのみこ)は火も害(そこな)うことなく、母(いろは)もまた少しも損う所無し。そして竹の刀でその子の臍の緒を切る。その竹刀を棄てし所、後に竹林と成る。そこで、その地を竹屋(たかや)と言う。



その時に神吾田鹿葦津姫が卜定田(うらへた)を以ちいた田を狭名田(さなだ)と言う。 その田の稲で天甜酒(あめのたむさけ)を釀(か)みて嘗(にいなえ)を催した。 また、渟浪田(ぬなた)の稲を用いて、飯(いい)と作り嘗を催した。



後半では神吾田鹿葦津姫の農耕神としての様子を示す。