スサノオ 備考
· 吉村貞司(よしむら ていじ)は『スサノオの悪竜退治 -原神話の回復の試み-』(1977年)において、「大和の高天原神話におけるスサノオ」と高天原神話に吸収される以前の「出雲神話におけるスサノオ」では神としての性格が異なると指摘し、原田大六(はらだ だいろく)の説にみられる農業の破壊神、すなわち台風を神格化した性格は「高天原(大和)のスサノオ」であり、原初からスサノオが嵐の神であったという説には否定的な立場をとっている。また、次田真幸(つぎた まさき)も『古事記(上) 全訳注』講談社学術文庫 38刷2001年(1刷1977年) p.94において、「スサノオを暴風雨の神と見る説には従いがたい」として、解説で否定的な立場を記している。
· 明治時代刊行の『皇国武術英名録』の序には、「剣道(剣術)はスサノオより起こる」として、その起源をヤマタノオロチ退治で天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を得た神話に求めている。