付喪神絵巻 成立


室町時代に成立した物語であると考えられており、現存作品のうち最古とみられる崇福寺に所蔵されている絵巻物は、16世紀のものである。



三条西実隆(さんじょうにし さねたか)の日記『実隆公記(さねたかこうき)文明(ぶんめい)17年(1485年)9月10日の記事に「於御学問所付喪(裳)神絵上下拝見」とあることから、それ以前(15世紀)にも存在していたと考えられているが、現在確認されている絵巻物と同一内容であるかははっきりしていない。



寛文(かんぶん)6年(1666年)に頼業(よりなり)という人物が写しとったという奥書きのある原本の「摸本」も複数確認されている(国立国会図書館京都大学附属図書館所蔵本など)。これらは図の構成や描写などが崇福寺のものとは異なっており成立過程は異なるとも見られている。