古神道 自然崇拝


太陽から来るマナを享受し、それを共有する存在をライフ・インデックスとして崇拝する自然崇拝は神籬(ひもろぎ)・磐座(いわくら)信仰として現在にも残り、具体的には、神社の「(やしろ)」とは別に境内にある注連縄(しめなわ)が飾られた御神木(ごしんぼく)霊石(れいせき)があり、また、境内に限らずその周囲の「鎮守の森」や、海上の「夫婦岩(めおといわ、ふうふいわ、みょうといわ)などの巨石などが馴染み深いものである。また、を五穀豊穣をもたらすものとして「稲妻」と呼んだり、クジラは、島嶼部(とうしょぶ)性の高い日本においては、座礁漂着などして現れた貴重な食料として、感謝の気持ちを込めて「えびす」と呼んだりして、各地に寄り神信仰が生まれた。また、「野生の状態で生き物として存在するマナ」として捉えられるシャチやミチ(アシカ)なども、畏き(かしこき)者として恐れ敬われた。



自然やせに起因するものだけでなく、九十九神(つくもがみ。付喪神)にみられるように、生き物や人工物である道具でも、長く生きたものや、長く使われたものなどにも神が宿ると考えた。そして、侵略してきた敵や、人の食料として命を落としたものにも命や神が宿る神さぶ。かみさぶ、かんさぶ)と考え、蒙古塚(もうこづか)刀塚(かたなつか)魚塚(うおづか)鯨塚(くじらづか)などがあり、祀られている。