供物 古代インドおよび仏教
古代インドのサンガ(ガナ)のひとつとされるヴァッジ国では、都市の内外にある祠廟(しびょう。チャイティヤ)を崇め供物を絶やす事がなかったという。仏典にある「衰亡を避けるための7つの法 satta aparihaariyaa dhammaa」には供物をささげることも含まれている。
こうした行為は、ブッダが示唆したともそうでないとも言われ、その後の仏教の伝統的な行為とも共通している。
日本の仏教
日本の仏教では主に、仏壇などで灯明(とうみょう)や香華(こうげ。お線香)を配し、米、飯、果物などのほか、生花などが一般的で、生花の場合は「供花(くか)」「仏花(ぶっか、ぶつばな)」と呼ばれる。日蓮はシキミを好んで供えたので、日蓮宗系の各宗派では今もシキミを供え、「おしきみ」と呼ぶ。
また、葬儀・葬式や年忌では故人が好んでいたものを供えることも多い。
真言宗の不動信仰では憤怒の形相をした不動明王を本尊として火中に護摩木(ごまぎ)や供物が投ぜられる。