神道 皇室と神道
宮中祭祀に見られるように、皇室と神道は歴史的事実として密接なかかわりを持つことが上げられる。また、神道の信仰の対象としての天皇とその祖先神の存在がある。
多くの日本国民が仏教と神道の習慣と信仰を両立させているように、皇室も神道の祭祀と仏教の行事を共に行っていた。皇室の神道色が強まったのは、朝廷の復権を志向して光格(こうかく)天皇が行った宮中祭祀の復活によってであり、それまではむしろ仏教色が強かった。明治天皇の代で行われた神仏分離や神道国教化に伴い、仏教と皇室の直接的な関係は薄れたが、皇室菩提寺であった泉涌寺(せんにゅうじ)と宮内省の特別な関係は日本国憲法施行時まで続いた。