神社 神社の名称
神社の名称の付け方は様々である。最も一般的なのは地名によるものである。
「~坐神社」(~にいますじんじゃ、~にますじんじゃ)というのもある。また祭神名を冠するものも多い。ほかに奉斎する氏族の名前を冠するものや祭神に関連する語句を冠するもの、神社の種別を表すもの・祭神の座数によるものなどがある。また由来が不詳である神社名も少なくない。稲荷神社や八幡宮など全国に広く分布するものは、それらの社名にさらに地名を冠することが多い。
天満宮(てんまんぐう)は音読みで、八幡宮(はちまんぐう、やはたのみや)や浅間神社(せんげんじんじゃ、あさまじんじゃ)は音読みと訓読みの場合があるが、音読みで社号を読むのは仏教の影響である。天満宮は祭神である天満天神(てんまてんじん)が仏教の影響を受けているため、漢語の社名となっている。八幡宮と浅間神社はいずれも本来は「やわた」「あさま」と訓読みしたが、神仏習合のもと仏教の影響で、音読みが定着した。
なお、原則として全ての神社を「~神社」(宮号・神宮号を除く)と称するようになったのは近代になってからである。「~明神」や「~権現」などと神名を社号としたところや、「~稲荷」「~八幡」と「神社」の部分が省略されたところ、「~社」としたところなどがあったが、全て原則として「~神社」と称することになった。これを権現号の使用禁止と関連させて、排仏政策によるという指摘もあるが、むしろ国家が管理するうえでの都合によるといえるだろう。
近代においては終戦まで神社はいわば国家の施設であり、法令上の規則により、「神社」と認められるのに設備や財産などの条件があり、条件に満たないものは「神社」とされなかったのである。